私は普段、集団塾で指導を行っていますが、特に最近よく感じるのは
ということです。
でも、塾講師という立場上、自分の所属する塾をやめて、別の塾に行くよう勧めるわけにもいきません。
同じように、あなたやあなたのお子さんが間違った塾選びをしても、所属する塾の先生は誰もそのことを指摘してはくれません。
ここでは、一人でも多くの方に、目的に合った塾の選び方をお教えしたいと思います。
初めて塾を選ぶ際や、今所属している塾が合っていないか不安になった際に活用してみてください。
どんなに優れた塾、評判の良い塾でも、目的に合っていなければ通う意味がありません。
目次
進学塾と補習塾の違いと選び方
集団塾は、進学塾と補習塾に大別されます。
それぞれの塾の特徴は以下のとおりです。
進学塾の特徴
進学塾の特徴は以下の通りです。
- 生徒数が多く、優秀な生徒がたくさん所属している
- 応用問題の解き方についての授業が多い
- 広告や看板などで、有名校の合格実績をアピールしている
また、進学塾に通うのに適した生徒は次のとおりです。
- 各地区でのトップレベル高校の受験を考えている
- 5段階評価で4以上の成績が安定してとれている
塾は一般的に、成績が悪い生徒が退塾するよりも、成績の良い生徒が退塾する方を避ける傾向があります。
そのため、たくさんの生徒が集まっている集団塾の場合、成績の良い生徒が満足できるような指導の方針が採用されます。
全国に名前の知られている有名な集団塾や、クラスメイトの半数近くが通っているような集団塾はたいてい進学塾でしょう。
また、集団塾では学校で教えられるような基本内容は軽く触れただけで終わらせ、応用問題の練習に多くの時間が費やされることになります。
授業の内容は、学校の定期テストで高得点をとるために必要な内容を遥かに超えていることも多いです。
そのため、普段の成績が3以下の生徒さんにとっては授業内容が難しく、かえって勉強嫌いになってしまう恐れがあります。
また、学校で教えられないような内容も多いために、成績の向上が実感しにくく、塾に通う意味も感じにくいです。
逆に、トップレベルの高校を受験する場合は、学校の内容だけでは情報が不足することが大半です。
トップレベル高校は、進学塾に通っていなければかなり合格は困難と言わざるを得ません。
補習塾の特徴
補習塾の特徴は、進学塾の特徴とほぼ真逆となります。
- 生徒数が少ないことが多い
- 学校の授業について行けるよう、わかりやすく丁寧な授業が行われる
- 広告などで、定期テストの合計点数がアップしたことをアピールしている
補習塾に向いている生徒は次の通り。
- 学校の授業が分かりにくく感じている
- 定期テストや通知表の成績を上げたい
補習塾は進学塾に比べ、規模が小さいことが多いです。
授業では、学校で習う内容をしっかり理解し、定期テストで良い点をとれるような指導が行われます。
そのため、生徒さん自身にとっても塾に通う意味や効果が実感しやすいのが特長です。
一方で、もともと成績の良い生徒さんにとっては、得られるものは少ないです。
また、トップレベルの高校を志望している場合は悲惨で、入試直前頃になって、全く応用力が付いていないことを実感せざるを得ない状況が発生します。
集団塾のよくある間違った選び方
私が今まで塾で指導を行ってきた中で、よくある間違った塾の選び方・考え方は以下のとおりです。
- 周りの生徒も通っているという理由で、なんとなく進学塾に通う
- 成績が3以下なのに進学塾に通っている
- 合格実績が良い塾は、分かりやすい教え方をしてくれるはずだと勘違いしている
- 成績で5が安定してとれているのに補習塾に通っている
- 塾を評判の良さや口コミの良さだけで決めてしまっている
以上の内容に少しでも思い当たるところがあれば、もう一度本当に塾が合っているかどうかしっかり振り返ってみることをおすすめします。
特に、優秀な生徒さんが補習塾に通っている場合、普段はその状況の危険さが実感しにくいです。
問題が発覚するのは入試直前か、受験の結果発表後になることが大半ですので、注意が必要です。